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2013年04月23日

小型バックロードホーンスピーカー自作(5)

やっとスピーカーユニットの交換ができたのでその報告を・・

とりあえず、まず完成図を。
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)
左の黒いのが今回作成したスピーカー(BW-800 + FF85WK)
右側のは取り外したP800Kを捨てるのもアレだと思ったので、激安エンクロージャーP800-Eにとりつけたトコロ。


前回より行った作業

サンディング
直方体6面の板の段差をなくすために板に巻いたサンドペーパーで削る。
この時思ったのは、側板2枚の出っ張りを削り取るのはカンタンだけど、側板が引っ込んでいた場合、前面や上の板を削るのは容易ではないということ。
ボンドで組み上げる際に、前・上・後・底面の4枚の板を側板からほんの少し内側に接着した方がいいんじゃなかろうか。
荒い目のサンドペーパーで平面を出した後、#600のサンドペーパーでMDF表面の微細な凸凹を取っていく。


一回目の塗装
この塗装はMDF表面の微細な凹みに塗装を盛ることが目的なので、表面は気にしないで一旦塗った後30分おいて2回めの塗装。
MDFの切り口は塗料を盛大に吸い込むので念入りにスプレーした。
その後、一日乾燥。


サンディング二回目
塗装表面の微細な凸凹を取るために番手の大きなサンドペーパーで板に巻かずに軽く気長に磨く。
この時真っ黒の塗料の粉が大量に出てきて爪の間に入ってなかなか取れなかった。


2回目の塗装
本来なら塗装~サンディングのセットを3回ほどやればテカテカに仕上がるらしいのだけど、面倒くさがりなので2回目で仕上げ塗装とした。
缶スプレーで丁寧に吹き付けていく。
その後、ホコリのつかない所で一日乾燥して塗装は完了。


ターミナル取り付け
このエンクロージャーはターミナル取り付け口が横に広すぎるのでターミナルのビス止め位置を正確に合わせるのに注意が必要だと思った。
正確に位置決めしないとどっちかのビスが穴に近づきすぎてMDFが割れそう。
ビス止め位置に2.5mmのドリルで穴を開け、40cmくらいに切ったスピーカーコードをターミナルにハンダ付けしてエンクロージャーにビス止めした。
また、購入したターミナルは安いだけあって気密性ゼロの粗悪品だったので、端子周辺の隙間をホットボンドで埋め、さらにエンクロージャーと接する部分に隙間テープをきっちり貼って空気漏れを防止した。


吸音材を入れる
今回吸音材として選んだのがウール。
・・といえば聞こえはいいけど、ダイソーで売ってた観賞魚用の水ろ過材(笑)
これを空気室にテキトーにちぎって入れてみた。
予定していたスロート部にカーペットを貼り付けるのは断念。

後はユニットを取り付けるだけの状態(塗装がいい加減すぎ(笑))
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)

今回使った吸音材はこれ
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)


ユニット取り付け
ユニット側の端子にケーブルをハンダ付けし、エンクロージャーにセットしてみたら色々と問題が・・・
フォステクスの8cmユニットはネジ穴が共通なのかと思っていたら、やや違うので焦った。
P800Kの方が外側にネジ穴があってそれに合わせて穴を開けていたので、FF85WKを合わせるとシャーシの穴からエンクロージャーのネジ穴が半分くらいしか見えないという事態に(汗)
あと、FF85WKには細いパッキンがついているのだけどこれがなかなかジャストの位置に合わない。
パッキンをユニット側に糊で貼り付けてエンクロージャーにセットした。
万全を期するなら、薄いゴムシートなどでパッキンを切り出して自分で作った方がいいかもしれない。
ネジ穴は半分くらいしか見えてなかったものの、強引にねじ込んで固定完了。
あまり何度もネジを抜き差しするとMDFのネジ穴がバカになりそうなので、多分もう外す事はないと思う。
もし次に外すなら、木ネジ穴を復活させる『ねじパテ』みたいなのが必要になるかも。



スピーカーユニット換装・吸音材追加後の印象

現在エージング中なのでこの後の印象は変わってくるかもだけど、取りあえず鳴らしっぱなしで3日経過後の印象を・・


高音部
P800Kの時に感じていた問題はほぼ解消。
ユニットのスペック上は再生上限周波数が18KHzから28KHzへ変更となり、これは可聴範囲外の変化ではあるけども、やはり余裕が有るのと無いのとでは可聴範囲内の音も違うのだろう。
シンバルの金属音の曇りも無くなり、ジャズボーカルのハスキーな声の成分、ベースのボウイングの弦が擦れる音など、音のリアリティが随分上がった。
このユニット(FF85WK)って結構スゴイのかも。


中音部
妙に共鳴したり落ち込む特定の周波数帯域は注意して聴かないと気付かないレベルにまで減少。
ユニットの特性なのか、空気室容量の変化によるものか、はたまた吸音材を入れた効果なのか理由は不明だけど(汗)まぁ、結果オーライつうことで。
それからこれはエンクロージャー側の問題だけど、イコライザーをOFFにするとまだホーン部から出ている中音成分がほんの少し多いように思う。
ホーン開口部から出ている中音成分は、コーン前面から出ているそれの1/5くらいには減衰してはいるのだけど、スピーカー全体としての音圧のピークはやや中音部にあるのは間違いないので、もう少し吸音材の材質と量を考える余地はありそう。
今回入れた吸音材は空気室にダイソーの『観賞魚用ろ過材』のウール、ホーン開口部下にカーペットを貼りつけた2箇所のみ。
ウールのような軽い素材は高音しか吸音しないので、空気室にはもう少し中音部を吸収する重い素材(フェルトとかグラスウール)を入れ、組み立て時の最後の側板を貼り付ける前にホーン内部にフェルトを少し貼ってもいいかもしれない。


低音部
P800KからFF85WKに変えることにより、ユニットの特性が変わり、マグネット部分が大きくなり相対的に空気室容量が小さくなり、また吸音材が多少効いたのか、低音はやや厚みを増した。
これは予想通り。


総評
このエンクロージャーにFF85WKは結構いい感じ。
一部のウェブサイトで書かれているようなボーカルの不自然な金属音も全く確認できなかった。
シンバルの金属音はそのまま金属音に、ボーカルはあくまで肉声に聴こえる。
ユニットを選ぶ際に一瞬迷ったFE83Enにしなくて正解だったと思う。
今回作成したエンクロージャーはバックロードホーンとしてはかなり小型なので、本格的なオーディオスピーカーのような豊かな重低音はどうやっても出せないので、FE83Enにしていたら低音の薄さだけが気になるスピーカーになったのではなかろうか。
このエンクロージャー(BW-800)にはFF85WKがベストマッチであると言い切ってもいいように思う。
ただ、全体としての音圧のピークがやや中音部にあるのは間違いないので、グラフィックイコライザーで高音と低音を少しブーストしてやる必要はあるけど。

ともあれ、机の上に載せるPCオーディオ用スピーカーとして考えると、このスピーカーはなかなか秀逸。
イコライザーで少し補正した音を目隠しした人に聴かせたら、こんな小さなエンクロージャーに8cmユニット一発だけのスピーカーだとは絶対思われないと思う。
あと、音がかなりリアル。
実際の楽器の出す音波は正弦波だけではなく、ノコギリ波であったりパルス波に近い形状だったりする訳だけど、自然な波形の再現性の良さというバックロードホーンの長所が一応出ているみたい。
今回、比較対象のPCスピーカーがONKYOのGX-D90だったのだけど、これは異様に重低音が出るPC用スピーカーで、自作スピーカーの低音の薄さを感じたのは相対的な部分も少しはあると思う。
このGX-D90は音域も広くて重低音もビシバシ出るPCスピーカーなんだけど、今回作ったスピーカーと較べてみると、GX-D90の方はなんとなく、一度分解して機械的に再構成したような音(書いてる意味わかりますかね?)なのよね。
元々の音源の波形とは少し違うような気がする。
内臓アンプのせいか、もしかするとこの辺が空気バネで低音を増幅するバスレフ方式の弱点なのかもしれない。
また、余ったP800Kを取り付けたP800-Eとも比較してみたが、これはぶっちぎりでBW-800 + FF85WKの勝ちだった。

今回は作ってよかったというのが最終的な結論です。


今回のスピーカー作成で購入したものをまとめときます。(取り外したモノや未使用のモノは除く)

バックロードホーン型エンクロージャーキット(ペア)BW-800
FOSTEX FF85WK ×2
【自作用】スピーカー端子アダプタ ワンタッチ式
ACアダプター付属/Lepai デジタルアンプ LP-2020A+
ELECOM オーディオケーブル_ステレオミニ-ピンX2
8ONE スピーカーコード 先バラ-先バラ 2本1組 3m ESC-230
ダイソー ろ過用ウール(吸音材・空気室)
ホームセンター タイルカーペット1枚(吸音材・ホーン開口部下)
ホームセンター 速乾木工ボンド500g
ホームセンター サンドペーパー #120 #600 各1枚
ホームセンター 水性スプレー塗料(黒)一本

合計18000円くらい(たぶん)


以下の図面はFF85WKの箱の中に入っていた紙です。
FF**WKシリーズの応用例(メーカー設計のエンクロージャー設計図)が出ていたので貼り付けときます。

※フォステクスの人へ
もしこれを掲載することに問題があったらメッセージ下さい。
画像削除します。


FF85WK・FF125WKの左側
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)

FF105WK・FF125WKの右側
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)

FF165WK
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)

FF225WK
小型バックロードホーンスピーカー自作(5)


あーでも・・・できればもう一度やり直したいなー。
特に塗装と組み上げる前の吸音材の処理がいい加減だったのが悔やまれる。
一度組み立てて音の傾向や組み立て方がだいぶ解ったので、もう一度同じセットを買おうか思案中(笑)


追記2013/5/15

鳴らし始めてから一ヶ月弱、水性塗料をゴッテリ塗ったMDF板の水分が抜け、接着した板同士の塑力も無くなったのか、ホーン部から結構中低音が出るようになりました。
低音が増加したのはいいんだけど、コーン前面から出る中音域がホーン部から出る中音域と少し干渉しているらしく、中音域に響く周波数と落ち込む周波数がほんの少しだけ復活(汗)
ボーっと聴いたり初めて聞く曲だと気づかないんだけど、聞き慣れた曲だと僅かな違和感を感じます。
そしてこれ、一度気づいたら気になって仕方がありません。
そのため、ホーン内部の中音域をもう少し吸収するべく、一旦スピーカーユニットを取り外し、空気室にフェルトを追加しました。
ウールを一旦取り出し、ダイソーに売っている手芸用フェルト生地(100円ナリ)を慣れない手つきでヒダヒダ付きミニ雑巾風に重ねて縫ったモノを空気室に突っ込み、その上からウールを戻した状態で聴いてみると・・・・・惜しい!
いいセンまではいってるんだけど、あとほんの少しという感じ。
そこで、ホーン開口部の下に貼っていたタイルカーペットをホーン部奥にも貼ってみると、やっといい感じになりました。
調整後の音は4/23の時点での完成形よりだいぶ良くなりました(・・・なったような気がする(笑))
このエンクロージャーはホーン長が980mmと短いからか、ホーン内部で中音域を完全に殺せてないみたいです。
これから組み立てようと思う人は、ホーン内部にフェルトを少し貼ったほうがいいかもしれません。
このPDFの板の番号でいけば、板4・7・5の上面にダイソーフェルトを貼って、空気室には少しのウールを入れる、という感じがよさそう(これあくまでカンなので責任持てませんが(笑))

いやー、作った後でどんどん音が変わっていきますね。
この分じゃ半年後にまた音質を調整してそう。


追記2013/5/23

これと同じ構成(BW-800 + FF85WK)で組まれた方に詳細なコメントを書いていただきました。
スピーカー自作初心者のワタシと違って熟練者の適確なコメントなので、是非読んでみて下さい。
完成写真もコメント欄にリンクアップされていますが、ワタシのいい加減な塗装とは次元の違う綺麗さでビックリです。
  ↓↓↓
ダブルバスレフ方式スピーカー制作



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この記事へのコメント
アンプ込みでこの金額でわりと、自分が納得いけたら、グーですね!
金額より、満足感!
お金持ちには分からない、気持ちの贅沢度、充実感
私もいつも、色々廃材や、安い素材で色々な物を作っているのですが、
船の艤装も、既製品より見劣りしますが、色々なところを既製品にない
便利な作り方ができるので、楽しんでますよ!
Posted by 八ちゃん at 2013年04月23日 20:21
こんばんわ

自分の納得のいく一品までは、あれこれ悩みますよねー
段々、JBL4312Aの中古を買うくらいの値段になりそうですが
大丈夫ですか?
Posted by Z at 2013年04月23日 20:56
八ちゃん

八ちゃんほどのクラフトのウデがあったらもっと色々な事ができるんでしょうけど、不器用なワタシはキットを組み立てるのがせいぜいです。
しかしスゴイですよねー
船外機のシリンダーボルトの穴を開けて修理できるなんて、ワタシには想像もつきません。
今回はキャ◯クラに一回行く金額で十分楽しめました(笑)
Posted by ROYROY at 2013年04月24日 07:57
Zさん

真空管アンプ、ありがとうございました~
昨日到着しました。

いやー、この金額でこれだけ遊べたら安いもんですよ。
本格的なバックロードホーンを作りたくなってきました。
次にムラムラしたら、共立エレショップのWP-7510BHを買ってみようと思います。
これはフォステクスFE103Enに合わせたメーカー設計の推奨箱を共立エレショップがキットにして売ってるやつなんだそうで、もー内部構造の写真を見るだけでムラムラしてきます(笑)
Posted by ROYROY at 2013年04月24日 08:03
レポート、ありがとうございます。いや~、良さそうですね!
私もPC用スピーカーとして今度作ってみることにしました。

私の名前の由来でもありますが、長岡氏設計のD-100、D-10あたりも作りやすくていいですよ。カットサービスを使えば工作の難易度はキットと変わりませんし、頼むところを選べばWP-7510BHより安く上がるかと。

私はD-100をかれこれ10年ほどメインスピーカーとして使っています。
ユニットはFE126E→FE126Enと変わりましたが、相変わらずいい音です。
Posted by D100 at 2013年04月26日 09:54
D100さん

名前の由来はそうだと思いました(笑)
実は最初はD-10を作ろうかと思ってたんですが、近所に板材カットを頼めそうなところもないし、キットも売ってないしで練習のつもりでこのキットにしたんです。
でも作って良かったです、これ。

記事中に一つ書き忘れた事があって、それは今回の使用パーツのうちターミナルがスカスカで気密性ゼロだったので、ホットボンドで裏面を埋めてるという事です。
安いワンタッチターミナルを使うなら注意した方がいいと思います。
ま、釈迦に説法でしょうけどね。
Posted by ROYROY at 2013年04月26日 14:07
 
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