2012年04月29日
Portrait in Jazz / Bill Evans
Portrait in Jazz / Bill Evans

彼のリバーサイド4部作の中でおじさんが最も好きなアルバム『ポートレート・イン・ジャズ』
いやー、この時代の神がかった演奏を聴いてると「健全なナンタラは健康な体に宿る」なんて言葉はつくづく嘘っぱちだと思い知らされますね(笑)
あ『健全』というのとはちょっと違うか、なんて言うんだろうこの場合は。
この頃の彼のピアノは、重度のヘロイン中毒だったとは思えないほど、ただひたすらに美しい。
このアルバムがレコーディングされた当時、ジャズ界はジャンキーの巣窟で(笑)ビル・エバンスはその中でもかなり重度のヘロイン中毒でした。
現在残されている彼の写真は、大抵オールバックにロイド眼鏡、スーツにタイをビシッとつけた堅物の牧師のような雰囲気のものが多いのですが、それらの写真からはこのヒトがヤク中でヘロインを腕に打って口を開けて白目を剥いている所なんてとても想像できませんよね(笑)
マイルス・デイビスに見出されて彼のグループに一時期属したものの、エバンスのジャンキーっぷりがあまりにひどく、何度も注意をうけていたようです。
マイルスの元を去った経緯は諸説ありますが、エバンスの麻薬依存が他メンバーに悪影響が及ぼすのを危惧した、というのが一因になっているのはほぼ間違いないようです。
主因は別にありますが。
ところで、ヘロインを摂取した直後は脳にドバーっとヘロインが流入してアタマ真っ白状態が数分間続くそうで、この状態をラッシュ(rush)というんですが、この意味を知った時コルトレーンのアルバム『Lush Life』は、実はこの状態『Rush』のもじりなのではなかろうかと思いました。
Lの方のLushはスラングで酒を飲むとかそういう意味しかないですから、直訳すると『飲んだくれの日々』くらいの意味になって、ジャンキーで逮捕歴もあり警察嫌いを公言していたコルトレーンがそんなのどかな名前をつけるわけないですよね。
コルトレーンもきっと警察をおちょくる意味でRをLに変えたんじゃないのかなー、とフト思いました(笑)
ま、コルトレーンの話は別の機会に。
ビル・エバンスは麻薬に体を蝕まれ、51歳で生涯を閉じています。
彼の薬物依存は運の悪いところもあって、短い間に彼の周辺には親しい人の死が相次ぎました。
トリオのベーシストだったラファロの事故死、元恋人の電車への投身自殺、兄のピストル自殺・・
親しい人がいなくなる度に彼は薬物に溺れました。
長年の薬物摂取の結果、体調を崩すようになってからも決して病院には行かず、自身の体調不良が致命的だと自覚してもなお頑なに病院に行かなかった彼の姿勢を、『緩慢な自殺(slow suiside)』と書いている海外のサイトも結構ありますが、おじさんはそうは思いません。
病院に行かなかったのは刹那主義の現実逃避だっただけ、音楽面では求道的である反面、それ以外の面では実に繊細で壊れやすい心を持ったヒトではなかったか。
薬物なしでは自我を維持することができない弱い人だったのではなかろうか。
繊細で、透明で、ガラス細工のような彼のピアノを聴く度に、そう思います。
ジャンル:ジャズ(ピアノ)
ビル・エバンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)
1959年 riverside
万人にオススメ度
★★★☆☆
カッコイイ度
★★★★☆
飽きない度
★★★★★
ソウルを感じる度
★★★★☆
ハズレ曲が無い度
★★★★★
個人的思い入れ度
★★★★☆
ベスト3トラック
02 Autumn Leaves
10 Blue in Green
09 Someday My Prince Will Come
youtube試聴はこちら
Autumn Leaves
Blue in Green
Someday My Prince Will Come

彼のリバーサイド4部作の中でおじさんが最も好きなアルバム『ポートレート・イン・ジャズ』
いやー、この時代の神がかった演奏を聴いてると「健全なナンタラは健康な体に宿る」なんて言葉はつくづく嘘っぱちだと思い知らされますね(笑)
あ『健全』というのとはちょっと違うか、なんて言うんだろうこの場合は。
この頃の彼のピアノは、重度のヘロイン中毒だったとは思えないほど、ただひたすらに美しい。
このアルバムがレコーディングされた当時、ジャズ界はジャンキーの巣窟で(笑)ビル・エバンスはその中でもかなり重度のヘロイン中毒でした。
現在残されている彼の写真は、大抵オールバックにロイド眼鏡、スーツにタイをビシッとつけた堅物の牧師のような雰囲気のものが多いのですが、それらの写真からはこのヒトがヤク中でヘロインを腕に打って口を開けて白目を剥いている所なんてとても想像できませんよね(笑)
マイルス・デイビスに見出されて彼のグループに一時期属したものの、エバンスのジャンキーっぷりがあまりにひどく、何度も注意をうけていたようです。
マイルスの元を去った経緯は諸説ありますが、エバンスの麻薬依存が他メンバーに悪影響が及ぼすのを危惧した、というのが一因になっているのはほぼ間違いないようです。
主因は別にありますが。
ところで、ヘロインを摂取した直後は脳にドバーっとヘロインが流入してアタマ真っ白状態が数分間続くそうで、この状態をラッシュ(rush)というんですが、この意味を知った時コルトレーンのアルバム『Lush Life』は、実はこの状態『Rush』のもじりなのではなかろうかと思いました。
Lの方のLushはスラングで酒を飲むとかそういう意味しかないですから、直訳すると『飲んだくれの日々』くらいの意味になって、ジャンキーで逮捕歴もあり警察嫌いを公言していたコルトレーンがそんなのどかな名前をつけるわけないですよね。
コルトレーンもきっと警察をおちょくる意味でRをLに変えたんじゃないのかなー、とフト思いました(笑)
ま、コルトレーンの話は別の機会に。
ビル・エバンスは麻薬に体を蝕まれ、51歳で生涯を閉じています。
彼の薬物依存は運の悪いところもあって、短い間に彼の周辺には親しい人の死が相次ぎました。
トリオのベーシストだったラファロの事故死、元恋人の電車への投身自殺、兄のピストル自殺・・
親しい人がいなくなる度に彼は薬物に溺れました。
長年の薬物摂取の結果、体調を崩すようになってからも決して病院には行かず、自身の体調不良が致命的だと自覚してもなお頑なに病院に行かなかった彼の姿勢を、『緩慢な自殺(slow suiside)』と書いている海外のサイトも結構ありますが、おじさんはそうは思いません。
病院に行かなかったのは刹那主義の現実逃避だっただけ、音楽面では求道的である反面、それ以外の面では実に繊細で壊れやすい心を持ったヒトではなかったか。
薬物なしでは自我を維持することができない弱い人だったのではなかろうか。
繊細で、透明で、ガラス細工のような彼のピアノを聴く度に、そう思います。
ジャンル:ジャズ(ピアノ)
ビル・エバンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)
1959年 riverside
万人にオススメ度
★★★☆☆
カッコイイ度
★★★★☆
飽きない度
★★★★★
ソウルを感じる度
★★★★☆
ハズレ曲が無い度
★★★★★
個人的思い入れ度
★★★★☆
ベスト3トラック
02 Autumn Leaves
10 Blue in Green
09 Someday My Prince Will Come
youtube試聴はこちら
Autumn Leaves
Blue in Green
Someday My Prince Will Come
Posted by ROY at 21:39│Comments(0)
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