2019年04月10日
今期のF1は面白い・・・のか?
イキナリF1の話題でアレかもしれませんが、今シーズン、レッドブル・ホンダが好調な滑り出しを見せている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
いやー、ホンダはマクラーレンと決別したのは正解でしたね。
まぁ、形式的には決別というよりもマクラーレンに捨てられた形ですが、レッドブルとトロロッソと組んだことによりホンダにとっては結果的にいい方に流れになってきており、日本人としては嬉しい限りです。
マクラーレンと言えばロン・デニスが監督にいて、アイルトン・セナとアラン・プロスト時代の常勝チームのイメージが強烈ですが、ホンダがF1から撤退し、その後セナが事故死した頃から日本国内の中継もなくなり熱が冷めていったように思います。
長らくF1にはホンダの名前がなかったんですが、5年ほど前に再度マクラーレンとコンビを組む事が発表された時にはワクワクしたもんです。
しかし、マクラーレンは全盛期から体制というか思想が変わってしまってたようで、ホンダをワークスのパートナーというよりもウチのクルマにエンジンを載せてやってるんだ的な扱いをしていました。
ホンダがF1エンジンを作るにあたってのマクラーレンからの要求は『サイズ・ゼロ』というコンセプトに合わせて設計をするというもので、これがホンダを苦しめることになります。
今のF1エンジンはセナやプロストの時代の回転とブーストを極限まで上げたエンジン出力だけで勝負するドッカンターボの時代とは違い、非力なエンジンに運動エネルギー回生システムと熱エネルギー回生システムが組み合わさった、言わばハイブリッドみたいなものになっており、呼称もEngineではなくPU(Power Unit)と呼ばれています。
そのPUの構成要素を大雑把に分けると、エンジンブロック本体とターボの部分と運動エネルギー回生部分(MGU-K)と熱エネルギー回生部分(MGU-H)の4つの部分からなり、その複雑さ故にエンジンサプライヤーの新規参入はなかなか難しい状況。
先行のメルセデスやフェラーリが長い間熟成させてきたアドバンテージを新参者が埋めるのは容易な事ではありません。
ただでさえ難しい長期ブランクからの参入なのにマクラーレンは、ウチは世界最高のシャーシを作っているのだから、その設計に合わせた形でPUを作ってくれとホンダに要求を出したのです。
それは、現在の常勝チームのメルセデスやフェラーリなどのPUよりも小型で熱耐性も高い事を要求するものでした。
しかし、PUを小型にするとパワーは出せません。
特に、嵩張るターボのタービン部分とインタークーラー部分をコンパクトに作らざるを得ないので効率が悪くなり、PU全体のパフォーマンスは低下します。
それに加えてマクラーレンのシャーシは空力を最優先した結果PUの冷却を度外視したものだったので、冷却不足と思われるトラブルでPUが実によく故障しました。
この時期のホンダは、パワーがないのによく壊れるという、傍目には最悪のエンジンサプライヤーに見えていたと思います。
また、マクラーレンはシャーシはいいけどホンダのPUがダメなんだ、というのをスポンサーにアピールするためダウンフォースを他チームより大分強くしていて、空気抵抗が大きいから直線は遅いけどコーナーだけは速いというマシンを作り、シャーシが優秀であるからコーナーでは速いんだ、というようなアピールをしていました。
マクラーレンのブーリエもエースであるアロンソも、ホンダエンジンでなければトップを狙えると豪語し始める始末。
ウソでも言い続けると自分も段々そう思ってしまうのでしょうか、マクラーレンはホンダとのワークス契約を解消し、ルノー製PUを積むことになりました。
しかし、最高のシャーシにトップを狙えるはずのルノーPUを積んだにもかかわらず、今期のマクラーレンは低迷。
世界最高であるはずのマクラーレンが作るシャーシが実はタコだったのがバレちゃいました(笑)
ホンダPUを積んでいた時代と同じ種類の熱トラブルがルノーPUにも出て、さらにトラブルがない時でも遅いという、流石にもういい訳ができない状況になって段々アナウンスのトーンも下がってきております。
一方、ホンダPUを積むレッドブルとトロロッソの2チームは好調な滑り出しを見せ、前回はレッドブルのマックス・フェルスタッペンが三位の表彰台という結果になりました。
やっぱチーム内部で敵対すると碌なことにはならないという教訓のようなケースであります。
ただ、日本では「レッドブル・ホンダ」という名前で呼ばれていますが、チームの正式名称は「アストン・マーティン・レッドブルレーシング」となっており、ホンダの名前はどこにもありません。
ホンダも宣伝効果を度外視した今のやる気がいつまで持続するのかちょっと心配です。

一方、ホンダをケチョンケチョンに酷評していたF1時代のアロンソですが、今年からインディ500に参戦するようで、それにあたってインディ用のホンダエンジンが欲しかったのか急に手のひらを反してホンダにすり寄ってきていました。
現在のインディ500のエンジンサプライヤーはシボレーとホンダの二つですが、ホンダが優勢なためアロンソはシボレーよりホンダエンジンが欲しかったのでしょう。
しかし結局それは実現せず、アロンソのいるチームはシボレーエンジンに決まりましたが、まぁこれは当たり前ですよね。
いくらホンダがお人よしでもあんだけボロカス言ってたドライバーに勝てるエンジンを供給する訳ないですよね。
もしホンダがエンジン供給してアロンソがインディで芽が出なかったら、またエンジンが悪いから~、と言い出すのは目に見えてますから。
アロンソにエンジンを供給するか否かはホンダアメリカに一任されていたようですが、当然と言うか何と言うかアロンソの要望を見事に蹴ったようで、ホンダ関係者やホンダファン界隈ではザマミロ感がホンワカと漂っているようです(笑)
やっぱ、何するにしてもチームではパートナー同士が協力する気がないといい結果は残せないっすね。
これは最近ワタシも仕事の上で痛感している事であります。
私事ですが、実は今1年くらいの時間をかけてきたある仕事が、決定ではなく計画段階でポシャるかもしれなくて、長い時間と多大な労力が無駄になる可能性大だというのが最近判明して途方に暮れているトコロです。
某君からこの話を聞いた時は「確実に契約まで行けるから」という事だったんですが、全くそんなことはなく上に稟議すら通してない担当者レベルの構想段階の話だった模様。
これ契約できなかったらどうすっかな・・・
ダメージがデカすぎるよなぁ。
某君の事を旧知の間柄だから丸ごと信用してしまった俺もアサハカだった。
やはりビジネスパートナーは感情に左右されないで慎重に判断しないとダメっすね。
焦って不確定な話に乗っちゃうと、最終的にバカを見るのは自分自身なので。
ともあれ、今期のF1はなかなか面白そうになってまいりました。
DAZNでもそろそろ契約すっかな。
生中継やってるらしいしー
Be My Lover / Fourplay
いやー、ホンダはマクラーレンと決別したのは正解でしたね。
まぁ、形式的には決別というよりもマクラーレンに捨てられた形ですが、レッドブルとトロロッソと組んだことによりホンダにとっては結果的にいい方に流れになってきており、日本人としては嬉しい限りです。
マクラーレンと言えばロン・デニスが監督にいて、アイルトン・セナとアラン・プロスト時代の常勝チームのイメージが強烈ですが、ホンダがF1から撤退し、その後セナが事故死した頃から日本国内の中継もなくなり熱が冷めていったように思います。
長らくF1にはホンダの名前がなかったんですが、5年ほど前に再度マクラーレンとコンビを組む事が発表された時にはワクワクしたもんです。
しかし、マクラーレンは全盛期から体制というか思想が変わってしまってたようで、ホンダをワークスのパートナーというよりもウチのクルマにエンジンを載せてやってるんだ的な扱いをしていました。
ホンダがF1エンジンを作るにあたってのマクラーレンからの要求は『サイズ・ゼロ』というコンセプトに合わせて設計をするというもので、これがホンダを苦しめることになります。
今のF1エンジンはセナやプロストの時代の回転とブーストを極限まで上げたエンジン出力だけで勝負するドッカンターボの時代とは違い、非力なエンジンに運動エネルギー回生システムと熱エネルギー回生システムが組み合わさった、言わばハイブリッドみたいなものになっており、呼称もEngineではなくPU(Power Unit)と呼ばれています。
そのPUの構成要素を大雑把に分けると、エンジンブロック本体とターボの部分と運動エネルギー回生部分(MGU-K)と熱エネルギー回生部分(MGU-H)の4つの部分からなり、その複雑さ故にエンジンサプライヤーの新規参入はなかなか難しい状況。
先行のメルセデスやフェラーリが長い間熟成させてきたアドバンテージを新参者が埋めるのは容易な事ではありません。
ただでさえ難しい長期ブランクからの参入なのにマクラーレンは、ウチは世界最高のシャーシを作っているのだから、その設計に合わせた形でPUを作ってくれとホンダに要求を出したのです。
それは、現在の常勝チームのメルセデスやフェラーリなどのPUよりも小型で熱耐性も高い事を要求するものでした。
しかし、PUを小型にするとパワーは出せません。
特に、嵩張るターボのタービン部分とインタークーラー部分をコンパクトに作らざるを得ないので効率が悪くなり、PU全体のパフォーマンスは低下します。
それに加えてマクラーレンのシャーシは空力を最優先した結果PUの冷却を度外視したものだったので、冷却不足と思われるトラブルでPUが実によく故障しました。
この時期のホンダは、パワーがないのによく壊れるという、傍目には最悪のエンジンサプライヤーに見えていたと思います。
また、マクラーレンはシャーシはいいけどホンダのPUがダメなんだ、というのをスポンサーにアピールするためダウンフォースを他チームより大分強くしていて、空気抵抗が大きいから直線は遅いけどコーナーだけは速いというマシンを作り、シャーシが優秀であるからコーナーでは速いんだ、というようなアピールをしていました。
マクラーレンのブーリエもエースであるアロンソも、ホンダエンジンでなければトップを狙えると豪語し始める始末。
ウソでも言い続けると自分も段々そう思ってしまうのでしょうか、マクラーレンはホンダとのワークス契約を解消し、ルノー製PUを積むことになりました。
しかし、最高のシャーシにトップを狙えるはずのルノーPUを積んだにもかかわらず、今期のマクラーレンは低迷。
世界最高であるはずのマクラーレンが作るシャーシが実はタコだったのがバレちゃいました(笑)
ホンダPUを積んでいた時代と同じ種類の熱トラブルがルノーPUにも出て、さらにトラブルがない時でも遅いという、流石にもういい訳ができない状況になって段々アナウンスのトーンも下がってきております。
一方、ホンダPUを積むレッドブルとトロロッソの2チームは好調な滑り出しを見せ、前回はレッドブルのマックス・フェルスタッペンが三位の表彰台という結果になりました。
やっぱチーム内部で敵対すると碌なことにはならないという教訓のようなケースであります。
ただ、日本では「レッドブル・ホンダ」という名前で呼ばれていますが、チームの正式名称は「アストン・マーティン・レッドブルレーシング」となっており、ホンダの名前はどこにもありません。
ホンダも宣伝効果を度外視した今のやる気がいつまで持続するのかちょっと心配です。

一方、ホンダをケチョンケチョンに酷評していたF1時代のアロンソですが、今年からインディ500に参戦するようで、それにあたってインディ用のホンダエンジンが欲しかったのか急に手のひらを反してホンダにすり寄ってきていました。
現在のインディ500のエンジンサプライヤーはシボレーとホンダの二つですが、ホンダが優勢なためアロンソはシボレーよりホンダエンジンが欲しかったのでしょう。
しかし結局それは実現せず、アロンソのいるチームはシボレーエンジンに決まりましたが、まぁこれは当たり前ですよね。
いくらホンダがお人よしでもあんだけボロカス言ってたドライバーに勝てるエンジンを供給する訳ないですよね。
もしホンダがエンジン供給してアロンソがインディで芽が出なかったら、またエンジンが悪いから~、と言い出すのは目に見えてますから。
アロンソにエンジンを供給するか否かはホンダアメリカに一任されていたようですが、当然と言うか何と言うかアロンソの要望を見事に蹴ったようで、ホンダ関係者やホンダファン界隈ではザマミロ感がホンワカと漂っているようです(笑)
やっぱ、何するにしてもチームではパートナー同士が協力する気がないといい結果は残せないっすね。
これは最近ワタシも仕事の上で痛感している事であります。
私事ですが、実は今1年くらいの時間をかけてきたある仕事が、決定ではなく計画段階でポシャるかもしれなくて、長い時間と多大な労力が無駄になる可能性大だというのが最近判明して途方に暮れているトコロです。
某君からこの話を聞いた時は「確実に契約まで行けるから」という事だったんですが、全くそんなことはなく上に稟議すら通してない担当者レベルの構想段階の話だった模様。
これ契約できなかったらどうすっかな・・・
ダメージがデカすぎるよなぁ。
某君の事を旧知の間柄だから丸ごと信用してしまった俺もアサハカだった。
やはりビジネスパートナーは感情に左右されないで慎重に判断しないとダメっすね。
焦って不確定な話に乗っちゃうと、最終的にバカを見るのは自分自身なので。
ともあれ、今期のF1はなかなか面白そうになってまいりました。
DAZNでもそろそろ契約すっかな。
生中継やってるらしいしー
Be My Lover / Fourplay
Posted by ROY at 00:17│Comments(4)
│日常
この記事へのコメント
長文、お疲れ様です。
F1、セナが亡くなった頃から、見なくなりました。
ROYさん、なかなかの通ですね。
F1、セナが亡くなった頃から、見なくなりました。
ROYさん、なかなかの通ですね。
Posted by 酒ちゃん
at 2019年04月10日 17:27

酒ちゃん
セナがいた頃の日本のF1ブームは結構熱いものがありましたね。
ワタシもサンマリノでセナがクラッシュした瞬間を生中継で見てました。
時代の流れなんでしょうけど、ルマンもF1もハイブリッドになってしまってなんだかつまんなくなって、特にサウンドが迫力なくなりましたねー
そういえば、ルマンで総合優勝したマツダ787Bの音にはシビれました。
セナがいた頃の日本のF1ブームは結構熱いものがありましたね。
ワタシもサンマリノでセナがクラッシュした瞬間を生中継で見てました。
時代の流れなんでしょうけど、ルマンもF1もハイブリッドになってしまってなんだかつまんなくなって、特にサウンドが迫力なくなりましたねー
そういえば、ルマンで総合優勝したマツダ787Bの音にはシビれました。
Posted by ROY
at 2019年04月11日 00:50

すごく詳しいですね。
昭和の時代は、車に関心を持つ人ばかりでしたが、
ここ最近は少ないですね。
若い頃、「車が命!」っていう人が多かったのに。
昭和の時代は、車に関心を持つ人ばかりでしたが、
ここ最近は少ないですね。
若い頃、「車が命!」っていう人が多かったのに。
Posted by 八ちゃん
at 2019年04月11日 07:52

八ちゃん
こっちはイナカだからか今でもボチボチいますよ。
収入の大半を車にかけてる若いやつが。
夜、海の近くの公園に犬の散歩にちょくちょく行くんですが、そこの駐車場でたまーに族の集会みたいな集まりがあって(笑)金かけて弄ってるクルマに遭遇します。
少し前に話した兄ちゃんはS15シルビアをドリ車にしてましたが、改造費に240万かけたそうで空いた口がふさがりませんでした。
こっちはイナカだからか今でもボチボチいますよ。
収入の大半を車にかけてる若いやつが。
夜、海の近くの公園に犬の散歩にちょくちょく行くんですが、そこの駐車場でたまーに族の集会みたいな集まりがあって(笑)金かけて弄ってるクルマに遭遇します。
少し前に話した兄ちゃんはS15シルビアをドリ車にしてましたが、改造費に240万かけたそうで空いた口がふさがりませんでした。
Posted by ROY
at 2019年04月12日 02:07
