Blowin' the blues away

ケトル、つーかヤカンを買った。

モノはこれ(Fire-Maple FMC-XT1)
送料込み 2,800円




普通のヤカンとの違いは、底部にストーブからの熱を効率的に吸収するヒートシンクの逆バージョンのようなヒダヒダがついているトコロ。
この手の、ストーブからの熱を逃がさずに利用しようというコンセプトの商品には、以前からジェットボイルというのがあって、これはアウトドアに興味のあるヒトなら誰でも知っていると思う。





このジェットボイルには興味はあったのだけど、ついに買う事はなかった。
これは専用ストーブと専用コッヘルを組み合わせて使うのだけど、ワタシにとっては湯を沸かすためだけの単機能の機材にしては、高いし嵩張りすぎる。

この、ヒートシンクみたいなのでストーブの熱を吸収する、というコンセプトの商品は最近色々と出始めて、DUGという会社が色々作っているのは知ってはいたが、





ちと高い。
この価格ならわざわざ買う事もないかなと思っていた所に今回のヤカンを発見。
FireMapleというのは中国のメーカーなのだけど、どうもこの会社はDUGの製品を作っている下請け会社で、モノはDUGにクリソツ、つーか同じ生産ラインから出てきているとしか思えない外観だ。
きっと、最後のメーカーロゴを入れる段階で作り分けているのだろう(笑)
この価格ならいいだろうとアマゾンでポチ！
発注してから約一週間後、航空便のタグをつけて自宅に届いた。

うーむ、外箱はやはり明らかに中国製ですな。





ちゃ、茶壺？？？
中国ではヤカンを茶壺と言うんかいな。

ヤカン底部にはヒダヒダの薄い金属がスポット溶接っぽい感じでついている。






さて、その実力はどうなんだろう。
使ってみると、確かに沸騰までの時間が短いように思えたので、もう少し正確に計ってみる事にした。

２０年ほど使ってきたモリタ（だったと思う）のケトルと今回買ったFireMapleでの湯沸かし対決。
熱源にはイワタニ・ジュニアバーナーを中火～弱火で使用し、実験してみた。

水道水500ccが沸騰するまでの時間を計測。
今の時期だから水温は10℃くらいだろうか、まずはスタンダードな形のモリタ製ケトル





沸騰までに要した時間は６分２８秒

次にFireMaple FMC-XT1
火力に差が出ないよう、火はつけたままでヤカンを置き換えた。




沸騰までに要した時間は５分２６秒

ガスカートリッジは使っているうちに段々冷えて、後になるほど火力は落ちるもんだけど、１分以上の短縮。
Fire-Mapleの方が約２割ほどの時間短縮になった。

今回は炎が外に出ないよう中火で検証を行ったが、もう少し強火だったらもう少し差が開いてたと思われる。


しかし、純粋な山用ケトルと比べると、このFire-Mapleはどうしても金属のヒダヒダの分だけ重量が少し重くて嵩張るんだよなぁ。
山小屋据え置きにしたりオートキャンプにはいいかもしんないけど、容積と重量を減らしたい山行には少々不向きかもしれないね。
ま、ホントにハードな山行ならケトルなんか持っていかずにナベで湯を沸かすと思うけど(笑)

とりあえず、クルマに積みっぱなしのティーセットの中に入れておこう。



追記　某月某日

沸騰するまでの時間は比較計測したものの、中～弱火だったしなんとなくモヤモヤ感が残ったので、今度はストーブのフルパワーで計測してみた。

前回と同じく500mlの水だけど、今度は最大火力で沸騰するまでの時間を計測。

まず、モリタのケトル



火力はこのくらい。
沸騰までの時間は



3分4秒でまぁまぁのタイム。
もともとこのケトルは湯沸かしについては結構優秀で、他社製品より早く沸くので愛用していたのだけど、
次にFire-Mapleのケトルでやってみると驚きの結果が・・・



なんと2分3秒！
これは、かなりスゴイ。
モリタのケトルの2/3の時間で沸騰してしまった。
予想通り、前回の中～弱火での検証時と比較してさらに差が開いている。
通常のケトルだと火が大きいと側面から逃げる熱が多くなるのだけど、FireMapleのケトルはこれを逃さず吸収しているのだろう。

これがあればジェットボイルはもう要らないかも～


【追記　某月某日】

これ、使うストーブを結構選ぶので注意が必要です。
底の中心部に集中的に炎が当たらないとダメな構造なので、プリムスIP2243などの火がつくところがでっかいストーブでは使えません。
また、エスビットポケットストーブだと注意して中心に置かないとゴトクの足から外れて傾きます。
相性が最高なのはイワタニのジュニアバーナー。