窓際のポッポちゃん

ROY

2022年01月30日 14:37

去年の年末、鳩(ドバト)を保護した。
年の瀬も押し迫った12月中旬にクルマで深夜徘徊していると、片側二車線の道の真ん中付近になにやら動く灰色の物体を発見。
踏みつぶしそうになって慌てて停車しハザードつけてクルマを降りてみると、ジタバタもがいている鳩だった。
怪我をしているのか、飛べないしろくに歩けもしない様子。
何故こんな夜中に道の真ん中に鳩が???とは思ったけど、このままほっとくわけにもいかず、とりあえず保護して助手席に乗せて帰った。

家に帰って鳩の体を調べてみると、右の翼の羽根がほとんど無い状態で、おそらくネコかイタチに襲われたんだろう、背中も一部羽毛が抜けて10円ハゲみたいなのができていた。
幸いにして骨折はどこにもなく、翼は羽が抜けているだけ。
怪我も背中の擦り傷程度だったので、羽が生えて飛べるようになるまで家で保護することにした。
ただしこれは法律違反だ。
鳥獣保護法で、野生動物を飼ったり過分な干渉をしてはいけないことになっている。
しかし、あのままだと他の車に踏み潰されるのは確実で、俺にはあのまま放置しておくことはどうしてもできなかった。
羽が生えて飛べるようになったら放鳥すればいいよね、ほんの少し手助けするだけだし・・・


保護当日は深夜だったので買い物袋の中で一晩過ごしてもらい、翌日倉庫から少し大きめの段ボールを引っ張り出して空き部屋になっているムスコの部屋の窓際に設置。
その中に鳩を入れ、ホームセンターで「鳩の主食」という穀物がミックスされた餌を買ってきて、水とともに段ボールの中に入れてみると、すぐにコツコツと食べ始めた。
てかかなり旺盛な食欲で、乾燥トウモロコシの大きな粒もバクバク食べている。
保護した直後なんで怖がってしばらくは食べないかなと思っていたのだけど、なんのなんの、試しにあげてみた大さじ一杯くらいの穀物をほとんど一気に食べた。
さぞかし腹減ってたんだねぇ。
買ってきた配合餌の他にも色々とあげてみたんだけど、水洗いしたピーナッツ(塩分を落とすために水洗い)を米粒くらいにカットしたものが一番好きで、二番目が玄米。
配合餌の中に入っている麦や乾燥グリンピースや蕎麦の実はあまりお好きではないらしい。

名前は安直だけど「ポッポちゃん」と命名。
あまり干渉すると情が移ってしまうのでなるべく干渉しないようにして、ダンボールの床に敷いた新聞紙と餌と水の交換だけを淡々とこなしていたのだけど、保護してから1ヶ月くらいで羽も生えてきて箱の中で羽をバタバタする事が多くなり、ついに羽ばたいて箱の上まで飛び上がった。


箱の上まで羽ばたいた当日。
捕まえられてまた段ボールに入れられ、ナンダコノヤローという目つきのポッポちゃん。

保護した当初は羽が生え揃うまで3ヶ月くらいはかかるのかなと思っていたのだけど、鳩の羽の生えるスピードは結構早くてビックリだ。
保護して約1ヶ月で左の正常な翼の7割くらいの羽の長さになった。
羽根って一日に5mmほどのスピードで伸びるんだね。

数日前に羽根が9割くらいの長さに伸びたので、もう飛べるかなと思って部屋の中で離してみたら、ウンコを漏らしながらバタバタと家中飛び回ってスゲー元気。
背中の10円ハゲも直ったし、もう放鳥できる状態になっていた。
そして今日の午前中、鳩が沢山いる場所に行って離してきた。
ポッポちゃんは地面に置くとキョトンとしていたが、しばらくするとバタバタバタと飛び立っていった。


放鳥直後。
この結構高い電線まで一気に飛んだ。

もう飛べるだろうとは思ってたけど、予想以上にうまく飛べたのでおじさんは安心したよ。
あの調子ならもう大丈夫だな、元気で暮らせよー




Lady Bird / Art Blakey and The Jazz Messengers



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