久しぶりにマンガ

ROY

2015年04月17日 04:11

10年ぶりくらいにマンガを購入。



神々の山嶺 1~5巻


夢枕獏の同名の小説をコミック化したもので、今度は映画化もされるらしい。
内容は、ネタバレになってもアレなのでぼかして書くと、エベレスト登頂の歴史における最大の謎を描いたもの。

ここから先は完全にネタバレになるので追記に書きます。
内容を知りたくないヒトは見ないでね :-)


最初にエベレスト登頂に成功したのは誰なのか?

エベレストの頂上に初めて立ったのは、記録では1953年5月にヒラリーとテンジン(シェルパ)という事になっているが、それ以前にも登山隊が幾度となく編成されており、もしかすると初登頂したのはヒラリーとテンジンではなかったかもしれない。
ヒラリーとテンジンのエベレスト登頂から遡ること29年前、1924年のイギリス隊でマロリーとアーヴィンが頂上アタックをした。
この時、ベースキャンプでは2人の姿を望遠鏡で追っている。
山頂付近はずっと雲に覆われた状態で、雲が切れた僅かな時間、頂上直下を登っている2人の姿が確認されたが、まもなく雲が山頂付近に出てその姿は見えなくなった。
これが2人の生存が確認できた最後である。
そしてその後2人がベースキャンプに戻ってくることはなかった。
マロリーとアーヴィンは登頂する前に遭難したのか、それとも登頂に成功した後で遭難したのかは、現在も謎のままだ。


作中人物

『神々の山嶺』 はこのマロリーの謎をモチーフにしたフィクションである。
フィクションではあるけども、実在のクライマーをモデルにしているようで、マロリー=マロリー、羽生丈二=森田勝、長谷恒雄=長谷川恒男、らしい。
羽生丈二=森田勝、というのは読んでるうちには気づかなかったけど、長谷常雄の方は「あーこれきっと長谷川恒男がモデルなんだろうな」と気づいてしまった。
グランドジョラスの話も長谷川恒男の実績そのまんまだし、彼の大抵の事実をそのまま書いているので、何処までが本当の話でどこからがフィクションなのかの境界が非常に曖昧になるのがちょっと気になった。
この作品を読む時には、マロリー以外はモデルはいない、という前提で読んだほうがよほどスッキリするだろう。
どうして長谷川恒男だとすぐにわかるような名前にしたのかな?そこだけが少し残念。


マロリーの遺体発見

マロリーとアーヴィン、2人が山頂直下で確認されたのを最後に消息を絶ってから75年の歳月が流れた1999年5月、マロリーの遺体が8160mの北壁でうつぶせになっている状態で発見された。
腰にはアンザイレンしたロープの跡があったそうで、これはおそらくアーヴィンとともに滑落死した際の跡だろう。
もし遺体の近くにザックがあって、その中にカメラがあれば、登頂に成功したのかわかるのだけど、結局カメラは見つからず。

遺体を見に行った動画 national geographic

原作である小説が書かれたのは時点ではまだマロリーの遺体が発見されておらず想像で書くしかなかったためか、マンガの中では遺体が岩陰にあったり、登頂の証拠写真のフィルムがマロリーのザックの中にあったりするのだけど、実際にマロリーの遺体が発見された時にはカメラもフィルムもなかったようだ。
まぁ、滑落したのなら、ザックは近くにないだろうしねぇ。


感想

原作である夢枕獏の小説がリリースされたのが1994年の事で、マロリーの遺体が実際に発見される5年前。
従って原作が書かれた時にはマロリーの遺体の状況は全くわかっていなかったので仕方がないと言えばそれまでなのだけど、ワタシはマロリーの遺体発見時の写真をわりと鮮明に記憶していたので、このマンガの画と全く違うことが結構気になった。
マンガではマロリーは岩陰に横になって倒れているように描かれているが、実際に発見されたマロリーの遺体は岩陰にはなく、平坦な斜面にうつぶせの状態で見つかっている。



この写真が記憶に残っている人も多いのでは?
映画化もされるみたいだけど、映像的には実際の状況に合わせた方がいいのではなかろうかねぇ。


・・・でもまぁ、色々と細かい所は気になったけど、このマンガはかなり良かったっす。
5巻を一気に読みました。


あなたにおススメの記事
関連記事